平成28年3月期における決算日統一実務

~IFRS適用を視野に~

宝印刷株式会社 コーポレートコンサルティング部 公認会計士 多田聖美

( 22頁)

1.はじめに

ここ数年,親会社と子会社の間の決算日統一を行う企業が100社を超える状況ですが,なぜこのように活発なのでしょうか。これは,親会社と子会社の決算日統一について,主に次のようなメリットがある点と考えられます。

・予算編成等において経営の効率化を図る
・投資家等のステークホルダーへ他社との比較利便性等を提供する
・期ズレをなくし,より適切な連結業績を行う
・将来のIFRSへ備える

従って,グローバル化が進展する中で,グループの経営管理の視点はもちろん,国際会計基準(以下,IFRS)の適用も視野に入れている企業が増えているのでは,ということがうかがえます。本稿においては,IFRSと日本基準における会...