アジア太平洋管理会計学会2016年度大会を終えて

甲南大学 名誉教授 上埜 進

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はじめに

国立台北大学(National Taipei University, NTPU)が主催したAsia-Pacific Management Accounting Association(APMAA)の2016年度大会(APMAA 2016)は,The Hotel Sherwood Taipeiをメイン会場に,10月4日から7日まで開催された。大会テーマを「管理会計の機会と新潮流」と設定した同大会には,海外17ケ国から80名余り,主催国である台湾から70名余りの参加があり,インドネシアのバリ島で開催されたAPMAA 2015とほぼ同じ規模であった。研究報告は,博士課程学生によるセッション,基調講演,パネル・セッション(英語セッションと4大監査法人による中国語セッション),19の投稿論文セッション(parallel sessions)という盛り沢山な構成であった。投稿論文セッションに17ケ国から85本の投稿(インドネシアから31本,台湾から14本,日本から12本等)があり,そのうち採択されたのは70本であった。以下に大会の様子を日別に振り返りたい。

大会1日目(10月4日)

大会1日目は...