M&A物語 第9回 M&A・新規連結時の留意点
有限責任 あずさ監査法人 企業成長支援本部 パートナー 栗栖孝彰
有限責任 あずさ監査法人 企業成長支援本部 マネジャー 小瀧征太郎
この物語は,企業の成長戦略としてM&Aを実行するにあたって必要となる知識や会計処理,実務上の対応等について,とある会社員(野口直大朗)の経験ストーリーを通じて解説するものである。なお,文中の意見に関する部分は筆者の私見である。 |
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ミノリ精機の経理部室では,野口と天音が険しい顔で向き合っているところだ。
天音 「ミワ機械の買収は上手くいったけれど,連結決算への取り込みに苦労しているのよ。」
野口 「DD(デューデリジェンス)でミワ機械の中身は十分に分かったはずだけど,何か問題でもあったのかな。」
天音 「いえ,そうではないの。私も買収は初めてなので,連結決算の事前準備に手間取っているのよ。例えば実際の株式取得日とミワ機械の連結を開始する時点は,必ずしも同日でなくても良いなど,買収した会社の連結決算への取り込みについては,いくつかの論点や考え方があるのよ ( ポイント1 :連結財務諸表の作成)。 」
野口 「そうなんだ。これからは,上場会社のグループ会社として情報開示スケジュールにあった報告体制を整えなくてはいけないから,できる限りスムーズな運営ができるような方法を考えておきたいね。」
天音「ええ。ミ...
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