平成29年3月期決算~Q&Aで分かる!会計&税務のポイントと対応策(下)
新日本有限責任監査法人 公認会計士 太田 達也
Ⅰ 税効果会計関係
Q4
平成28年度税制改正では,繰越欠損金の控除限度額に係る改正が行われています。この改正は,税効果会計における繰延税金資産の回収可能性の判断に影響があるのでしょうか。
改正内容に即して,繰延税金資産の回収可能性にどのように影響するのかを説明してください。
A
青色申告書を提出した事業年度の欠損金の繰越控除制度,青色申告書を提出しなかった事業年度の災害による損失金の繰越控除制度および連結欠損金の繰越控除制度における控除限度額について,次のとおり,段階的に引き下げられるものとされました(法法57条1項,58条1項,81条の9第1項,改正法附則27条2項,30条2項)。
なお,中小法人等 ① については,従前の控除限度額(所得の金額または連結所得の金額)が存置されました。すなわち,繰越控除前の所得の金額の100%を限度に控除できます。
繰越欠損金の控除限度額
①平成27年4月1日から平成28年3月31日までの間に開始する事業年度65%②平成28年4月1日から平成29年3月31日までの間に開始する事業年度60%③平成29年4月1日から平成30年3月31日までの間に開始する事業年度55%④平成...
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