企業合併・買収時の対価（取得原価）を，被取得企業の資産・負債の基準日（企業結合日）時点の時価に基づいて被取得企業の資産・負債に配分する手続きが「Purchase Price Allocation」（PPA：取得原価配分）である。企業結合会計基準では「企業結合日時点において識別可能なもの（識別可能資産及び負債）の企業結合日時点の時価を基礎として，当該資産及び負債に対して企業結合日以後１年以内に配分する」（28項）と規定している。

このとき課題になるのが，被取得企業の純資産額を上回る買収対価（差額＝のれん）の取扱いだ。PPAでは，この差額をさらに識別可能な無形資産と残額（狭義ののれん）に分類する。そ...