Q&Aコーナー 気になる論点(190) IASBにおける開示原則の検討(3)
早稲田大学大学院 会計研究科教授 秋葉 賢一
Q 国際会計基準審議会(IASB)が,2017年3月30日に公表したディスカッション・ペーパー「開示に関する取組み―開示原則」(開示原則DP)では,非IFRS情報や業績指標を,財務諸表に開示すべきではないことを提案しているのでしょうか。 |
A:
開示原則DPでは,財務諸表における非IFRS情報の開示を,禁止ではなく識別できるように,提供できる場合の要件を示しています。また,基本財務諸表において,小計以外によって業績指標を開示する際の一般的な要件を示しています。
<解説>
一般開示基準の開発
IASBでは,開示原則DPにより,認識している開示問題やそれに対する予備的見解などについて,市場関係者からの意見を求め(1.14項),財務諸表の開示をカバーしているIAS第1号「財務諸表の表示」の修正か,それを置き換える一般開示基準(general disclosure standard)の開発を検討しています(1.13項)。
なお,IAS第1号では,基本財務諸表の構造や内容も定めていますが,その点は基本財務諸表プロジェクトで検討されるとしています(1.13項,1.17項(a),3.12項,5.3項) ① 。
財務諸表...
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