いまさらきけない会計基準等と実務のポイント 第12回 在外子会社のキャッシュ・フロー計算書の作成

新日本有限責任監査法人 公認会計士 安福 健也

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1.はじめに

第12回は,「在外子会社のキャッシュ・フロー計算書の作成」をとりあげます。基本的に「連結財務諸表等におけるキャッシュ・フロー計算書の作成に関する実務指針」(会計制度委員会報告第8号)(以降,「実務指針」)に従い,簡単な数値例を利用して具体的な作成方法を確認します。

連結キャッシュ・フロー計算書の作成方法として,原則法と簡便法があります。原則法は,連結グループ各社の個別キャッシュ・フロー計算書を作成したうえで合算し,連結相殺を経て連結キャッシュ・フロー計算書を作成する方法をいいます。一方,簡便法は,連結貸借対照表及び連結損益計算書を作成したうえで,両者を基にして連結キャッシュ・フロー計算書を作成する方法をいいます。

連結キャッシュ・フロー計算書を作成する場合は,個別キャッシュ・フロー計算書の作成は不要であることから( 財務諸表等規則第111条 ),実務上,多くの場合,連結キャッシュ・フロー計算書は簡便法で作成されており,本稿においても,簡便法を前提に説明します。

まず,キャッシュ・フロー計算書の基本的な作成方法を確認するために,「2.外貨建て個別キャッシュ・フロー計算書(外貨個別C/F...