ミニファイル 総額表示・純額表示

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現行の日本基準では,収益に関して売上と仕入を総額で表示するか純額で表示するかについての一般的な定めはない。唯一,ソフトウェア取引において,委託販売で手数料収入を得ることを目的とする取引での代理人のように「一連の営業過程における仕入及び販売に関して通常負担すべき様々なリスク(瑕疵担保,在庫リスクや信用リスク)を負っていない場合」は,総額表示は適切でないとされるのみだ(実務対応報告第17号「ソフトウェア取引の収益の会計処理に関する実務上の取扱い」)。

一方,IFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」では,総額か純額かの判断は,企業が本人か代理人かによるものとされる。企業が自身を本人と判断すれば収...