ミニファイル 有償支給取引

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製造業などで,部品調達の際,発注元(支給元)が外注先(支給先)に材料を有償で支給し,支給先での加工後に支給元が買い戻す取引をすることがある。これを有償支給取引という。

従来の日本基準では,この有償支給取引の収益に関して,売上と仕入を総額と純額のいずれかで認識するかに関する一般的な定めはなかった。そのため,その点は各企業の判断により異なっていたところだ。

IFRSの規定を受け入れたこの度の収益認識基準案が適用されると,判断基準が明らかになる。IFRS第15号においては,総額か純額かは「財に対する支配」という観点で決まるためだ。買い戻しを前提とした有償支給において,支給先が財に対する支配を獲得していな...