ミニファイル 監査意見と上場廃止基準

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東証の上場廃止基準には「虚偽記載又は不適正意見等」という項目があり,監査意見に関する基準が定められている。同項目では「監査報告書又は四半期レビュー報告書に『不適正意見』又は『意見の表明をしない』旨等が記載された場合であって,直ちに上場を廃止しなければ市場の秩序を維持することが困難であることが明らかであると当取引所が認めるとき」は上場廃止となるとされ,意見不表明等が上場廃止に直結するわけではない。

意見不表明を理由とする上場廃止事例は,2011年のC&I Holdingsまで遡る。今年7月に上場廃止となったタカタは意見不表明の監査報告書を受領しているが,上場廃止理由は「民事再生手続き」である。また...