Q&Aコーナー 気になる論点(199) 収益認識と表示
早稲田大学大学院 会計研究科教授 秋葉 賢一
Q 企業会計基準委員会(ASBJ)が2017年7月20日公表した企業会計基準公開草案第61号「収益認識に関する会計基準(案)」(以下「会計基準案」)では,認識された収益について,損益計算書上も「収益」として表示することを提案しているのでしょうか。 |
A:
会計基準案では,収益の表示について,特段の提案はしていません。損益計算書上の表示に関する論点は,注記事項と同様に,早期適用時には定めず,今後,強制適用時までに検討することが考えられているようです。
<解説>
会計基準案(1)‐開示
会計基準案では,範囲として定めた収益に関する会計処理について定めることを目的とする(1項)としており,開示 ① について定めることは目的とはしていません。しかし,企業会計基準第10号「金融商品に関する会計基準」の範囲に含まれる金融商品に係る取引や企業会計基準第13号「リース取引に関する会計基準」の範囲に含まれるリース取引,保険法に定められた保険契約などを除き,顧客との契約から生じる収益に関する会計処理及び開示に適用することを提案しています(3項)。
ASBJが,2016年2月に公表した「収益認識に関する包括的な会計基準の開発...
- 経営財務データベースで続きを読む
-
無料 2週間のお試しはこちら
すぐに使えるIDをメールでお送りします