ハーフタイム ウーバーはエージェントかプリンシパルか

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2年前の夏,ロンドン郊外のレストランで食事を終えたあと,友人がモバイルでウーバー配車アプリを使うと,コーヒーを飲み終えるころにはレストランの前にタクシーが待機していた。ウーバーをよく利用するというロンドン在住の友人は"安くて便利だよ"というが,これではロンドン名物のブラックキャブは消滅するのではないかと思われた。

日本では白タクは厳しく規制されているが,ロンドンのウーバー運転手(約5万人)はアフリカ・中近東出身者が多く,カーナビ付き自家用車で送迎サービスする自営業者のようにみえた。 "お客様はアプリをダウンロードして数分でご乗車いただけます。ご自身が運転手に登録すれば,ご都合に合わせて収入を得ることも可能です"というのがウーバーのうたい文句であり,生活費を稼ぎたい運転手と顧客のニーズを配車アプリで仲介するマッチング・ビジネスだと位置付けている。そのビジネスモデルがいま問われている。

世界70か国で配車サービスを展開するという米国ウーバー・テクノロジーズ社だが,最近ロンドンでは強い逆風にさらされている。まず運輸局がウーバーの免許更新申請を拒否したほか,労働裁判所は"運転手を従業員として扱いミ...