注記実務の留意点 第6回 セグメント情報等

仰星監査法人 公認会計士 奥澤 望

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はじめに

企業活動が多角化・グローバル化する中で,企業グループにおけるセグメント別の活動内容や経営成績が重要視されており,有価証券報告書や決算短信においては,事業の内容や業績の概要についてセグメント情報に関連付けて記載することが求められている。

セグメント区分の決定については,経営上の意思決定および業績評価のために経営者が企業を事業構成単位に分類した方法を基礎として決定するマネジメント・アプローチを採用している。このため,セグメント情報には,経営者が企業グループをどのように管理しているか,どのセグメントに経営資源を投入しているか,といった情報も含まれており,財務諸表利用者にとって非常に有用な情報となっている。

本稿では,最初に,セグメント情報において最も重要であるマネジメント・アプローチに基づく報告セグメントの決定と変更について,次に,注記実務において疑問点が多いセグメント情報の測定方法について,最後に,筆者の経験に基づいた,セグメント情報等の誤り防止のチェックポイントについて記載する。

(会計基準等の略称)会計基準:セグメント情報等の開示に関する会計基準(企業会計基準第17号)適用指針:セグ...