Q&Aコーナー 気になる論点(213) IASBの概念フレームワークの改正(2)
‐質的特性‐
早稲田大学大学院 会計研究科教授 秋葉 賢一
( 38頁)
Q 国際会計基準審議会(IASB)が2018年3月29日に改正した「財務報告に関する概念フレームワーク」(2018年概念フレームワーク)では,2010年改正の際に使用しないこととした「信頼性」や「実質優先」,「慎重性」を復活させたのでしょうか。 |
A
2018年概念フレームワークでは,質的特性において「信頼性」という用語は復活していませんが,「実質優先」や「慎重性」については,復活しています。
<解説>
2018年概念フレームワーク(1)‐質的特性の見直し
2018年概念フレームワークにおいて,第1章と第2章は,2010年に改正したものであり,根本的に見直していません(BC0.11項,BC1.2項,BC2.2項)。しかし,いくつかについては再考すべきというコメントが多くあったため,[図表1]の項目については再検討しています。
[図表1]
章 | 再検討した項目 |
第1章
一般目的の財務報告の目的(BC1.2項) |
主な利用者 |
受託責任 | |
第2章
有用な財務情報の質的特性(BC2.2項) |
重要性 |
信頼性と測定の不確実性 | |
形式に対する実質優先 | |
慎重性 | |
基本的な質的特性の適用 |
このうち,第1章では,主要な利用者(primary user)の記...
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