書評 八田 進二 著『会計。道草・寄り道・回り道』

(泉文堂刊/本体2,200円+税)

 公認会計士 剱持 俊夫

( 42頁)

ユニークな題名の本だ。著者は会計・監査・内部統制の業務に携わる方ならご存知の青山学院大学大学院会計プロフェッション研究科教授の八田進二先生である。

八田先生が会計の道を歩み始めてから半世紀近く経ち,いろいろな『道草・寄り道・回り道』をした経験から,「会計を知らずして,合理的な経済人とは足りえない」(210ページ)という"基本思想"をベースに,会計専門職業を目指す方たち,会計および監査実務に携わる方たちに対して熱いメッセージが語られている書籍である。

本書は次の4部から構成されている。

第1部 これから会計専門職業を目指す方たちへのメッセージ

第2部 会計専門職大学院への誘い―本格的に会計を学ぶ方たちへのメッセージ

第3部 会計および監査実務に携わる方たちへのメッセージ

第4部 番外編―会計プロフェッションとして磨きをかけるためのメッセージ

本書には,会計・監査の本質と課題を気づかせてくれる記述が随所にあり,読者にとって参考になると思われるいくつかを抜粋すると,次のようなものがある。

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会計は,その語源であるアカウンティング(Accounting)からも推察できるように,物事を理路整然と...