【資料】監査基準の改訂について(公開草案)

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(金融庁「監査基準の改訂について(公開草案)」の公表について」より転載)

平成30年5月8日
企業会計審議会監査部会

一 経 緯

公認会計士(監査法人を含む。)による財務諸表の監査は,財務諸表の信頼性を担保するための制度であり,その規範となる監査基準は,財務諸表の作成規範である会計基準とともに,適正なディスクロージャーを確保するための資本市場の重要なインフラストラクチャーである。こうした観点から,当審議会では,監査をめぐる内外の動向を踏まえ,これまでも必要に応じて監査基準の改訂を行ってきている。

しかしながら,近時,我が国では,不正会計事案などを契機として監査の信頼性が改めて問われている状況にあり,その信頼性を確保するための取組みの一つとして,財務諸表利用者に対する監査に関する情報提供を充実させる必要性が指摘されている。

我が国を含め,国際的に採用されてきた従来の監査報告書は,記載文言を標準化して監査人の意見を簡潔明瞭に記載する,いわゆる短文式の監査報告書であった。これに対しては,かねてより,監査の結果である監査意見に至る監査のプロセスに関する情報が十分に提供されず,監査人の監査手続が見えにくいと...