【座談会】組織内会計士が語る会計不正と監査対応【前編】
<編集部より>
監査法人や会計事務所ではなく,一般の上場会社等に勤務する公認会計士のことを「組織内会計士」と呼ぶ。今回の座談会は,司会者の増田氏を除く参加者3名全員が上場会社に勤務している「組織内会計士」である。監査人側と財務諸表作成者側の両方の視点や経験を持つ「組織内会計士」の観点から,会計不正と監査対応等について語って頂いた。
1. 監査法人から企業への転職~監査する側から監査される側へ

増田 本日は宜しくお願い致します。参加者の皆様は全員が組織内会計士ということで,まずはそれぞれの自己紹介から始めようと思います。
私に関しましては,一般企業に就職してから公認会計士試験に合格し,太田昭和監査法人(現:新日本有限責任監査法人)に入所しました。監査と品質管理に携わり,昨年6月にシニアパートナーで退職しています。現在は,日本公認会計士協会(JICPA)常務理事として,組織内会計士協議会や公認会計士社外役員ネットワーク関係を担当しています。2009年に公認会計士試験合格者の未就職問題が発生した時に,合格者を企業に採用してもらう活動をし,就職した人のサポートにも携わりました。その時から,組織内会計士の方との関わりができました。
澤田さんと照田さんは,監査法人から企業へ転職されました。監査法人から企業へ転職された理由と現在の仕事内容をお話し頂けますか。
澤田 公認会計士試験合格後,太田昭和監査法人(現:新日本有限責任監査法人)に約7年勤務しました。会計監査と上場準備に携わる機会が多かったです。その後,担当クライアントの合併をきっかけに,「外部の応援者ではなく,内部の社員として会社をIPOさせてみたい」と思い立ち,2000年にシンプレクス・テクノロジー(現:シンプレクス)にIPO準備責任者として入社しました。2002年にジャスダック上場後は執行役員CFOとなり,2005年に東証一部上場も果たしました。2013年に同社MBOに伴い退社しました。その後2014年にサンウッドに入社し,現在は取締役管理本部長として,経理,財務を中心に管理部門全般を担当しています。...
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