IFRS第17号『保険契約』の適用に向けて 第2回 2018年5月開催TRGの解説

有限責任 あずさ監査法人 公認会計士 関 賢二
有限責任 あずさ監査法人 公認会計士 山下 光

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<はじめに>

2017年5月,国際会計基準審議会(IASB)はIFRS第17号「保険契約」(以下,「IFRS第17号」または「本基準書」という)を公表した。IFRS第17号は,原則として2021年1月1日以後に開始する事業年度より適用されるが,本基準書の適用をサポートするため,IASBによりTransition Resource Group(以下,「TRG」という。TRGに関する説明については本連載第1回(No.3354)を参照。)が設置されている。2018年は,2月,5月,9月及び12月の4回にわたって開催されるスケジュールとなっており,本稿では,2018年5月に開催されたTRGの議論の内容について解説する。なお,文中の意見に渡る部分は私見であり,特に断りのない限り,項番号および付録は本基準書のものを指す。

<2018年5月開催TRGの概要>

2018年5月に開催されたTRGでは,以下の議題について議論された。

1.複数の保険契約の結合

2.個別企業およびグループレベルでのリスク調整の決定

3.契約の境界線内のキャッシュ・フロー

・契約の境界線を評価する際の制約

・保険カバーを追加するオプション

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