いまさらきけない会計基準等と実務のポイント 第19回 子会社株式の追加取得による連結修正仕訳(資本連結手続)

EY新日本有限責任監査法人 公認会計士 安福 健也

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1.はじめに

いまさらきけないシリーズ第19回は,子会社株式の追加取得による連結修正仕訳に関する「資本連結手続」をとりあげます。資本連結手続とは,連結財務諸表作成手続のなかで,子会社の財務諸表を親会社の財務諸表に連結するに当たり,親会社の個別財務諸表と子会社の個別財務諸表を合算(以下,「単純合算」といいます)した後における,親会社による子会社に対する投資と子会社の資本を相殺消去するための親子間相殺手続をいいます。また,消去差額が生じた場合には,当該差額をのれん(または負ののれん)として計上するとともに,子会社の資本のうち,親会社に帰属しない部分を非支配株主持分に振り替える一連の処理をいいます。

資本連結手続について具体的な会計処理を明確にするため,平成10年5月に,「連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針(会計制度委員会報告書第7号)」が設定されました。その後は,公表された「企業結合に関する会計基準」や「企業結合会計基準及び事業分離等会計基準に関する適用指針」で示された取扱いとの整合性を図る等の目的で,平成26年11月まで,数次の改正が重ねられました。本稿では,資本連結手続,特に...