Q&Aコーナー 気になる論点(221) 負債と資本の区分(2)
早稲田大学大学院 会計研究科教授 秋葉 賢一
Q 国際会計基準審議会(IASB)が2018年6月28日に公表したディスカッション・ペーパー(DP)「資本の特徴を有する金融商品」(FICE DP)では,自社の株式を現金で買い戻すフォワード契約を,他のデリバティブのように純額ではなく,IAS第32号「金融商品:表示」と同様に,総額計上することを提案しているのでしょうか。 |
A
はい。それは,無条件の支払義務を負っており,仮に他のデリバティブと同様に純額で表示する場合,経済的資源を移転する契約上の義務に関する情報を提供しないとしています。
<解説>
IAS第32号‐自社株デリバティブの会計処理
FICE DPでは,基礎数値を交換する契約上の権利と義務を含むデリバティブが,以下のいずれかの場合,自社株デリバティブ(derivative on own equity)と呼んでいます(4.4項)。
(1) デリバティブが,自社の持分金融商品の引渡し又は買戻しを伴う場合
(2) デリバティブの基礎数値が,自社の資本である場合
FICE DPにおいて,IAS第32号は,自社株デリバティブを分類する際に,以下に言及しているとしています(4.13項)。
(1) 固定額の現金...
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