図解と事例で学ぶ!収益認識基準 第1回:収益認識基準の概要

 公認会計士・税理士 内田正剛

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はじめに~売上の会計ルールができた!

(1)収益認識に関する会計基準

「どのようにして?」「いつ?」「いくら?」。損益計算書で最も重要な「売上」について,この疑問に業種を問わず答える会計基準はありませんでしたが,2018年3月に「 収益認識に関する会計基準 」(以下,「会計基準」とします)が整備されました。公表された会計基準は,以下から構成されています。

・収益認識に関する会計基準
・収益認識に関する会計基準の適用指針
・適用指針の設例

会計用語で「認識」は「会計帳簿に載せること」を,「測定」は「会計帳簿に載せる金額を決めること」を意味します。これをうけて会計基準では「売上を,いつ・いくら会計帳簿に記録するか決めること」を解説しています。ところが,重要な会計ルールだからと読み進めようとすると,会計基準はボリュームが多い上に,IFRS第15号をベースにしているので,翻訳調の用語がふんだんに使われています。そのため,少なからずとっつきにくい印象を受けます。

そこで,当連載では,会計基準の流れに沿って,理解しやすい文章と図表を使って,事例を交えながら1つずつ解説していきます。なお当連載は,イメージのしやすさを...