公認会計士・監査審査会の最近のモニタリング活動について

~「平成30年版モニタリングレポート」の公表 ~

公認会計士・監査審査会 審査検査室長 梅本 慶治

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はじめに

公認会計士・監査審査会(以下,「審査会」という。)は,監査及び会計の専門家だけでなく市場関係者及び一般利用者に対しても,監査事務所(監査法人又は公認会計士)の状況及び審査会のモニタリング活動について分かりやすい形で情報提供するため,平成28年7月に,検査結果事例集の参考資料として「監査事務所の概況(平成28年版モニタリングレポート)」を試行的に作成し,公表した。

これは,資本市場における会計監査の役割の重要性が一層増している中,より多くの人々から,監査事務所における監査品質が適正に評価されることが重要となっていると考えたからである。平成29年7月には,その内容を増補・改訂し,平成29年版として検査結果事例集から独立した形で公表している。

「平成30年版モニタリングレポート」(以下,「本レポート」という。)については,平成29年版から構成を若干変更し,審査会のモニタリング活動の状況等を大幅に加筆した上で,本年7月31日に公表したところである。

本レポートの概要

本レポートは,「Ⅰ.監査業界の概観」,「Ⅱ.審査会によるモニタリング」,「Ⅲ.監査事務所の運営状況」の3つの項目により構成されて...