トピックスプラス ここが変わる!収益認識の会計・税務 第6回 工事契約

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工事契約や受注制作のソフトウェアに係る収益認識は,工事契約会計基準に従い,「工事進行基準」や「工事完成基準」を適用してきた。2022年3月期からは,収益の包括的基準である収益認識会計基準に従って処理する。これに伴い,工事契約会計基準等は廃止され,「工事進行基準」・「工事完成基準」との用語も会計基準から消滅する。
収益認識会計基準では,工事契約が「一定の期間にわたり充足される履行義務」に該当する場合,主に4つの認識方法が想定される。うち3つは,「進捗度に基づき一定期間にわたり認識」や「完全に履行義務を充足した時点で認識」等,文言や考え方等に違いはあるが,結果的には工事進行基準や工事完成基準と大きく変わる部分は少ないと考えられる。他方,今回導入された原価回収基準には,「施工不良や災害等があった場合や,契約条件等がなかなか決まらない場合等の適用になるのでは」等の指摘もある。

従来の実務に配慮して代替的な取扱いを規定

工事契約会計基準では,工事の進捗部分に成果の確実性が認められる場合は工事進行基準,そうでない場合は工事完成基準を適用して収益認識する。ただし,工期がごく短いものには,通常,工事完成基準...