KAM（Key Audit Matters）は，財務諸表監査の過程で監査役等と協議した事項のうち，職業的専門家として当該監査において特に重要であると判断した事項である。2016年にIAASBが国際監査基準（ISA）を改訂し，新たにKAMに関する基準書（ISA701）を公表した。ISA701は，上場企業の監査人に対して，監査報告書においてKAMについてコミュニケーションを行うことを要求している。日本では2021年３月期決算からのKAMの導入（強制適用。早期適用も可）が決まったところだが，すでにEU，北米，アジア・オセアニア地域などにおいて，日本よりも先行してKAMを導入している国がいくつかある。...