「次世代の監査への展望と課題」の解説
有限責任 あずさ監査法人 IT監査部 シニアマネジャー 紫垣昌利
1.研究報告作成の目的
日本公認会計士協会ではIT委員会研究報告「次世代の監査への展望と課題」の公開草案を2018年10月に公表した。本研究報告は本年11月25日までの意見募集で集められた意見を検討した上で,正式な研究報告となることが予定されている。
本研究報告は,2016年3月に公表されたIT委員会研究報告第48号「ITを利用した監査の展望~未来の監査へのアプローチ~」(以下,IT研48号という)に引き続き,ITの進化が監査に与える影響について検討されたものである。IT研48号では,被監査会社の特定のデータ項目を,サンプリングではなく全データについて検証する精査的な手法,その中でもContinuous Auditing(以下,CAという)に焦点を当てて未来の監査を展望した。
本研究報告では,その後の人工知能(以下,AIという)を中心としたテクノロジーの進化,特にAIの発展により監査業務がなくなっていくという報道が散見されるようになった状況を踏まえ,このような議論に含まれる誤解を紐解きつつ,AIを含めたテクノロジーの進化が監査にどのような影響を与えるか,特に①AIが進化しても監査業務は無くな...
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