時事談論 vol.16「公認会計士試験」

解説
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●AI時代の会計士

監査業務には,間もなくAIの時代が訪れるそうだ。

監査法人は,数多くの会社を顧客として抱えている。それらのデータをビッグデータとして利用し,AIによって,人間には発見が難しい関係性を見出し,不正の発見に繋げるという。また,会社のシステムと監査法人のシステムを常時接続し,on timeで監査ができるようになるという。いずれも,法的に整理しなければならない問題は数多くあるが,技術的に実現可能になるのは時間の問題だ。

実際に,何がどこまで実現可能となり,認められるのかについては,様々な可能性があって予想がつかないが,明らかなことは,会計士に求められるスキルが大きく変わっていくということだろう。

単純に考えれば,これからの会計士には,ITスキルが必要不可欠になる。小中学校で,英語の教育が始まったのはつい最近だが,現在では,プログラミングと投資教育が提唱されているという。AI時代の会計士なら,最低限のITスキルが必要だろう。

会計士がITに詳しくなくても,監査法人の中に,ITの専門家を社員として迎え入れればいいのかもしれない。しかし,それでは,実際の監査の現場では,専門...