日本には３月末日を決算日とする会社が最も多い。その理由は，４月から３月を一区切りとする「年度」という考え方の浸透や，国や地方公共団体の予算編成期間が３月までであることなどが考えられる。３月末日を決算日としている会社は全上場会社の約65％。次いで12月末日や９月末日などとしている会社が多い。

だが，多くの会社を見ていると，決算日を「15日」や「20日」としている会社があることに気付く。調べてみると，決算日を月末以外に設定している会社は57社。そのうち小売業が最多の21社で，次いで卸売業なども多いようだ。

では，なぜ決算日をわかりやすい月末日としていないのだろうか。実際に月末日以外を決算日としている会社にそのワケを聞いてみた。

「わかりません」，「確たる理由は不明です」，「記録が残っていない」・・・。こんな回答が続いた。自社のことを熟知しているIR担当者でも首をひねるのだ。該当する会社はいずれも創業が古いためか，明確な理由が残っていないのかもしれない。

それでも調査を続けたところ，ようやくヒントを聞くことができた。

ある小売業の会社は，日本の商習慣「五十日ごとおび」との関連を推測。小...