開示制度に係る政令・内閣府令等の概要―株式報酬に係る開示規制の見直し及び「会計監査についての情報提供の充実に関する懇談会」報告書を踏まえた見直し―

解説

前金融庁企画市場局企業開示課 課長補佐 岡村 健史

金融庁企画市場局企業開示課 係長 片岡 素香

前金融庁企画市場局企業開示課 開示業務室課長補佐 高橋 敦子

( 12頁)

一 はじめに

令和元年6月21日,「金融商品取引法施行令の一部を改正する政令」(令和元年政令第34号)及び「企業内容等の開示に関する内閣府令等の一部を改正する内閣府令」(令和元年内閣府令第13号)が公布され,これらの改正とともに,「企業内容等の開示に関する留意事項について(企業内容等開示ガイドライン)」も改正を行った。

本改正は,①経営陣等にインセンティブを付与するための業績連動報酬として,一定期間の譲渡を制限した株式(以下,「譲渡制限付株式」という。)を交付する際の開示規制の見直し,②「会計監査についての情報提供の充実に関する懇談会」(以下,「充実懇」という。)の報告書(平成31年1月公表)を踏まえた見直しとなっている。

本改正の施行については,①が令和元年7月1日から,②が令和元年6月21日からの施行となっている。

本稿では,本改正について,パブリックコメントに対する金融庁の考え方なども踏まえて解説する。なお,意見にわたる...