改正実務対応報告第18号「連結財務諸表作成における在外子会社等の会計処理に関する当面の取扱い」の概要

解説

企業会計基準委員会 専門研究員 和田 夢斗

  

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Ⅰ.はじめに

企業会計基準委員会(ASBJ)は,2019年6月28日に,改正実務対応報告第18号「連結財務諸表作成における在外子会社等の会計処理に関する当面の取扱い」(以下「本実務対応報告」という。)を公表した 。本稿では,本実務対応報告の概要を紹介する。なお,文中の意見にわたる部分は筆者の私見であることをあらかじめ申し添える。

Ⅱ.改正の経緯

2018年公表の実務対応報告第18号「連結財務諸表作成における在外子会社等の会計処理に関する当面の取扱い」(以下「実務対応報告第18号」という。)の改正(以下「2018年改正」という。)において,2006年の実務対応報告第18号の公表から2018年改正の検討時点までの間に,新規に公表又は改正された国際財務報告基準(IFRS)及び米国会計基準を対象に,修正項目として追加する項目の有無について検討を行った。ただし,当該検討の対象となるIFRS及び米国会計基準からは,IFRS第16号「リース」及び米国会計基準会計基準更新書第2016-02号「リース(Topic 842)」(以下「ASU第2016-0...