収益認識基準 導入の道しるべ 第9回 検討シートと適用ガイド案を作ろう!(ライセンス・ロイヤルティ編)

解説

 公認会計士・税理士 内田 正剛

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第9回も引き続き「検討シート」と「適用ガイド案」の作成の仕方を解説します。今回のトピックはライセンスとロイヤルティですが,各資料の関係については連載第2回( No.3407・45頁 【図9】)をぜひご確認ください。また,各章末に前シリーズ「図解と事例で学ぶ!収益認識基準」の参考ページを記載しています。当連載に合わせてご一読頂くと,「なぜその作業が必要か?」を詳しく理解することができます。

1. ライセンス〈19年9月~11月〉

(1)調査の進め方

①ライセンスとは何かを知る

ライセンスの会計処理を考える時は,「知的財産」や「知的財産権」の理解が欠かせないので,「図解と事例で学ぶ!収益認識基準」第10回( No.3389 )の内容を,おさらいしておきます。

ⅰ. 知的財産と知的財産権

小説やゲームは,作った人の考え方やアイデアなどが色々な試行錯誤を重ねて一つの形へ作り上げられたもので,知的財産の代表例です。つまり,「小説を書く」「ゲームを作る」という知的な作業の結果,作り出されたのが小説やゲームという「知的財産」です。また,知的財産は作ったら終わりではなく,それ...