公認会計士・監査審査会の最近のモニタリング活動について ~「令和元年版モニタリングレポート」のポイント~

解説

公認会計士・監査審査会事務局 審査検査室長 野村 昭文

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はじめに

公認会計士・監査審査会(以下「審査会」という。)は,監査及び会計の専門家だけではなく被監査会社を含む市場関係者及び一般利用者に対しても,監査事務所(公認会計士事務所又は監査法人をいう)の状況等について分かりやすい形で情報提供するとの観点から,平成28年以降,年次で監査事務所に関する「モニタリングレポート」を公表している。

今般,監査事務所や被監査会社の概況に関するデータ更新のほか,審査会のモニタリング活動を通じて入手した最新の情報を追加するなど,審査会の平成30事務年度のモニタリングの成果等を盛り込んだ「令和元年版モニタリングレポート」(以下「本レポート」という。)を取りまとめ,本年7月30日に公表したところである。

本レポートの概要

本レポートは,「Ⅰ.監査業界の概観」,「Ⅱ.審査会によるモニタリング」,「Ⅲ.監査事務所の運営状況」及び「Ⅳ.監査をめぐる環境変化への対応」の4項目により構成されている。本稿では,各項目の主なポイントを紹介するが,紙幅の関係で紹介しきれなかった部分もあり,ぜひ審査会ウェブサイトに掲載...