収益認識基準 導入の道しるべ 第10回 検討シートと適用ガイド案を作ろう!(一時点の売上・本人と代理人編)

解説

 公認会計士・税理士 内田 正剛

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第10回も引き続き「検討シート」と「適用ガイド案」の作成の仕方を解説します。今回のトピックは「一時点の売上」「本人と代理人」ですが,各資料の関係については連載第2回( No.3407・45頁 【図9】)をぜひご確認ください。また,各章末に前シリーズ「図解と事例で学ぶ!収益認識基準」の参考ページを記載しています。当連載に合わせてご一読頂くと,「なぜその作業が必要か?」を詳しく理解することができます。

1. 一時点の売上〈19年12月~20年3月〉

(1)調査の進め方

①支配の検討ポイントを満たしているか確かめる

「買主が支配したら売上になる」。これが収益認識会計基準の基本的な考え方です。具体的にいうと,会計基準では取引目的物である商品・製品やサービスのことを「資産」とよびつつ,「資産を支配した時点・期間に売上を会計帳簿へ載せる(=認識する)」という考え方を採用しています。i~vで紹介する支配の検討ポイントは会計基準 第40項 や適用指針の 第14項 で定められているので,自社の現状の「収益認識基準」と照らし合わせて,要件を満たしているかを確かめます。

ⅰ.代金支払...