税効果会計に係る会計基準の改正(開示に関する事項)の適用状況についての分析

解説

有限責任 あずさ監査法人 パートナー 公認会計士 小倉加奈子

縄田公認会計士事務所 代表 公認会計士 縄田直治

有限責任 あずさ監査法人 パートナー 公認会計士 柴田叙男

有限責任 あずさ監査法人 Digital Innovation部 公認会計士 松原徹

有限責任 あずさ監査法人 Digital Innovation部 吉田尚広

有限責任 あずさ監査法人 IT監査部 近藤純也

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1.はじめに

2018年4月1日以後開始連結会計年度の期首から,企業会計基準第28号「『税効果に係る会計基準』の一部改正」(以下,「企業会計基準第28号」という)が適用された。この会計基準において,「税効果会計に関する会計基準」のうち,開示に関する事項が改正されている。その主な内容は,次のとおりである(企業会計基準第28号 第2,4,5項 )。

(1)繰延税金資産及び繰延税金負債等の表示方法について

繰延税金資産は投資その他の資産の区分に表示し,繰延税金負債は固定負債の区分に表示する。

(2)税効果会計に関する注記事項の追加

①繰延税金資産の発生原因別の主な内訳として税務上の繰越欠損金を記載している場合であって,当該税務...