時事談論 vol.29「内部統制のレベル感~懲りない人たち~」
解説
( 32頁)
●深く静かに潜行する
「うちの会社では,不正なんか起きないよ」と本気で思っている経営者の方がいたとしたら,万全の体制を敷いていると思っているか,未だ日本は性善説で良いんだと思い込んでいるか,いずれかだろう。後者は危ない。
残念ながら,日本企業に勤めているからといって,良い人ばかりではない。また良い人だからといって不正に手を染めない,とも限らない。「已むに已まれず...」,「どうしても目先の金が必要で...」と,人は追い込まれれば,普段しないことでもしてしまう。「あの人がそんなことをするなんて...」というセリフはお約束だ。
でも,不正はいつ,どこでもできるわけではない。初めから見つかろうと思ってやる人はいない。だから,見つからないところ,隠れられるところで,少しずつ行われる。最初は1万円,そのうち5万円,気づけば20万円,1年続けているうちに1億円...。深く静かに不正がなされる。そして発覚する頃にはどうしようもない金額に膨れ上がっている。
●「不正のトライアングル」
不正は,動機があり,機会があり,それを正当化する「屁理屈」があると,手を染めてしまう,といわれている。これを「不正のトライアング...
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