監査役は株主総会の決議により選任されるが，会社法上，執行側が総会に監査役選任に関する議案を提出する際には，監査役（監査役会）の同意を得なければならない。これは一般に，「同意権」とされている。この点，11月15日に日本監査役協会が公表した「監査役の選任及び報酬等の決定プロセスについて」と題する文書（ 本号６頁 参照）では「監査対象である執行側が監査役に求められる資質を考慮することなく，恣意的に候補者を選定して，株主総会に付議することがないよう拒否権が付与されたもの」としており，執行側からの独立性確保を目的とした権利と言える。

ただ，前述の文書で示されたアンケート調査では，そもそも執...