【実対話】西川元教授と木村講師が語る「会計基準と会計研究」

解説

慶応義塾大学 客員教授 西川 郁生

多摩大学経営情報学部 専任講師 木村 太一

西川教授のワンポイントレッスン!シリーズ「学生と語る会計基準」から2年
( 25頁)

はじめに

西川 :2015年8月から2017年9月までの2年にわたって本誌で連載した『学生と語る会計基準』は,大学教授である私と修士課程の学生である木村太一君との対話という形をとっていました。これは架空の対話だったのですが,連載中から「木村君は実在の人物なのか?」「本物をみてみたい」といった声が編集部に寄せられていました。私としては,いつか木村君を読者の皆さんに紹介したいと思っていましたが,木村君が今年の4月から研究者の道を歩み出したこともあって,架空ではなくて本当の対話という形で本日の機会が実現しました。連載をもとに書籍(『会計基準の考え方』税務経理協会,2018年) も出版されましたが,架空対話であっても木村君がいなければ思いつかなかったろうと思っています。書籍の内容については,相手が木村君本人であったならば,もっと掘り下げた議論になって困っていただろうなと思うところもあります。本日はその書籍の内容から始めましょうか。

木村:『...