企業会計基準第30号「時価の算定に関する会計基準」等の概要(下)

解説

EY新日本有限責任監査法人 金融事業部 シニアマネージャー 公認会計士 石川 浩次郎

( 18頁)

編注:(上)は No.3434(11月25日発行) に掲載しました。また,金融機関に特有の事項は★で表記しています。

4.時価開示適用指針の改正

(1)全般

改正金融商品会計基準等に,「金融商品の時価のレベルごとの内訳等に関する事項」が注記項目に追加され,時価開示適用指針にて,その具体的な開示内容として下記(3)に記載の事項が定められている。

但し,重要性が乏しいものは注記を省略することができる。重要性はそれぞれの開示項目ごとに判断する。重要性の判断にあたり,注記の対象となる金融商品の残高のほか,時価の見積りの不確実性の大きさを勘案したうえで,当期純利益,総資産等に照らして,注記の必要性を判断する。

また,連結財務諸表において注記している場合には,個別財務諸表において記載することを要しない。

(2)時価のレベル区分の決定

本改正により時価のレベル区分の開示が求められることとなるが,当該時価のレベル区分は,時価の算定において重要な影響を与えるインプットのレベルに応じて分類する。インプットの入手可能性及びその...