年頭所感《公益財団法人 財務会計基準機構 理事長 林田 英治》

解説

公益財団法人 財務会計基準機構 理事長 林田 英治

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はじめに

年頭に当たり,「週刊経営財務」読者の皆様方に謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

公益財団法人財務会計基準機構(FASF)及び独立の民間機関としてFASF内に設置されている企業会計基準委員会(ASBJ)は,企業会計が重要な資本市場のインフラストラクチャーであることを踏まえ活動を行っております。本年も様々な課題に取り組む必要がありますが,本稿では主な取組みについてご紹介いたします。

日本基準の開発

昨年10月に,ASBJは,今後3年間の活動に関する中期運営方針を公表しています。そこでは,国際会計基準(IFRS)の任意適用の拡大の状況を踏まえ,2016年の中期運営方針で記載した基本的な方針,すなわち,我が国の上場企業等で用いられる会計基準の質の向上を図るため,日本基準を高品質で国際的に整合性のとれたものとして維持・向上を図るとともに,国際的な会計基準の質を高めることに貢献すべく意見発信を行っていくことを確認しています。

現在,日本基準を国際的に整合させるための取組みとして,金融商品会計やリース会計を検討しています。

FASFは,...