年頭所感《公益財団法人 全国法人会総連合 会長 小林 栄三》

解説

公益財団法人 全国法人会総連合 会長 小林 栄三

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令和2年の年頭に当たり,「経営財務」の読者の皆様に謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

読者の皆様には,日頃から法人会の活動に対しまして,深いご理解と温かいご支援を賜っており,厚く御礼申し上げます。

昨年は元号が改まり,はやぶさ2のリュウグウへの着陸成功や,ラグビーワールドカップでの日本代表の快進撃など,嬉しい話題で我が国が世界に存在感を示した一方,全国各地で相次いだ台風の上陸やそれに伴う河川の氾濫など,自然災害の脅威と対策の重要性を痛感した1年でもありました。

また,我が国経済は,企業収益に陰りが見えはじめ,景気の減速感が強まりつつあります。さらに,米中の貿易摩擦が安全保障も絡めた対立に発展しているほか,米政権の保護主義的な政策が我が国にも向けられるなど,先行きも予断を許さない状況となっております。これらにより景気の停滞が長引けば,地域経済と雇用の担い手である中小企業も厳しい局面に立たされます。

昨年10月に消費税率が引き上げられました。今後の社会保障給付費の増大を考えれば,「令和」という新しい時代を迎えた今こそ,国家的課題である...