時事談論 vol.62「コロナ禍によって見えてきたもの」
解説
( 44頁)
●現世代の思い上がり
病気をして初めて気づくことがあるように,今まで当たり前のように考えていた生活が,今回のコロナ禍により一変し,これまでの経済社会のありがたさを痛感した方々もさぞかし多いかと思う。
短期間のうちに,ここまで影響が拡がると誰が予想できたのであろうか。1月,2月程度,静かにしていれば,そのうち落ち着くと勝手に思い込んでいたことがなかったか。
地球には様々な生物が存在していると理解していたつもりではあったが,目に見えないウイルスとも共生していく(していかなければならない)関係にあることを改めて認識させられた。
そうなると,そもそも人類が地球を支配できるわけがなく,ましてや戦争で世界制覇を目指すといったことが,どれほど意味のないことなのか思い知らされる。
コロナ禍は,思い上がった現世代の人類に対する仕打ちとして,多くのことを学ぶ機会としなければならないであろう。
●ウイルスに対するリスク感度
それにしても,現世代の新型コロナウイルス(COVID-19)に対するリスク感度は,あまりにも低かったということか。
現世代の人類があまり経験したことのないこととはいえ,経験していなければ...
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