英文開示実務担当者のためのIR翻訳入門講座 第2回 日本語で書かれた情報を整理する
解説
かえで翻訳株式会社 寺﨑 徹哉
岡村 憲一郎
( 36頁)
第2回から第6回にわたり,IRおよび経理・財務分野における日英翻訳の留意点について解説する。まず本稿では,日本語原文で伝えたい情報を「英語の言語的特徴とロジックに基づいて」整理するプロセスを,「段落」→「文」→「単語」の順で説明していきたい。
その前に一言。本講座の読者の多くは,「英文ライティング」には関心はあっても,「日英翻訳」にはさほどの関心はないかもしれない。しかしここで皆さんが,IRや経理・財務のように抽象度の高い概念を英語で伝えようとするときのプロセスを考えていただきたい。おそらく大多数の方々は,まず日本語で伝えたい内容を考えてそれを英語にしているはずである。そうであるならば,皆さんが頭の中で行っていることは,「日英翻訳」という名の情報処理に他ならないわけである。筆者としては,本稿を通じてそのような情報処理プロセスに多少なりとも有益なインプットを提供できるよう,筆を進めていくこととする。
段落レベルでの留意点:日本語の「段落」の特徴
日本語の「段落」と英語の「パラグラフ」は別物である。まず日本語の段落には明確な定義もルール...
- 経営財務データベースで続きを読む
-
無料 2週間のお試しはこちら
すぐに使えるIDをメールでお送りします