時事談論 vol.75「日本再生のカギは同調圧力に屈しない勇気?」

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●菅内閣の発足

それにしてもびっくりした。

大型台風到来で底知れぬ不安感に日本全体が覆われていた9月中旬,電撃発表が飛び込んできた。日本において,7年9か月ぶりとなる首相交代である。

菅氏の嬉しそうな表情が印象的であったが,2020年9月16日に新たに菅内閣が発足した。その後開かれた連絡会議において,各府省の事務次官に対し,「行政の縦割り」及び「前例主義」を打破し,大胆な行政改革を進めるよう指示したとされる。

直近では新型コロナウイルス対策がもちろん重要であるが,今後の日本を支える次世代を視野に入れた中長期的な観点からは,我が国の基盤整備が何よりも重要であろう。

今後,民間ビジネスは,ますます複雑化・多様化し,特定の府省だけでは手に負えず,また,いまだ紙資料が山積みされている各府省におけるデジタル化は,全府省を挙げて推進すべきものであるから,是非とも今回が大胆な行政改革を実現する最後のチャンスであるという危機感をもって臨んでもらいたい。そして,各府省におけるデジタル化は,監督先の医療機関,学校関係,介護関係などと同時に実現しなければ完結しないため,全体最適の観点を忘れることなくお願いしたい。

ただ...