カウントダウンKAM適用 第7回 継続企業の前提とKAM
日本公認会計士協会 監査基準委員会副委員長 岡 良夫
第7回は継続企業の前提に関して,KAMを含む監査報告書上の取扱いを中心に解説します。
なお,文中意見にわたる部分は筆者個人の見解であり所属する組織の見解ではありません。
第6回( No.3489 )でも触れたように新型コロナウイルス感染症は経済・社会を一変させたと言っても過言では無い程個々の企業に大きな影響を及ぼしており,その結果経営環境が悪化している企業も多く存在します。そのため,決算を行う企業の財務諸表の作成の前提である継続企業の前提に関して財務諸表利用者からの関心が高まる環境に有ります。
今回は継続企業の前提とKAMを含む監査報告の関係について触れていきたいと思います。
1.継続企業の前提に関する監査上の検討のステップ
監査基準委委員会報告書(以下,監基報という)570「継続企業」に規定された継続企業の前提に関する監査上の検討のステップは以下の通りです。
①継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在するかの検討
②継続企業の前提に関する重要な不確実性が存在するかの検討
2.監査報告書上の対応
1で示した継続企業の前提に関する監査上の検討のステップに応じた監査報告書上の対応について...
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