「モダンExcel」でつくる「経営ダッシュボード」超入門 第3回 『経営ダッシュボード』をつくり,洞察を得る

価値創造機構 理事長・公認会計士 村井 直志

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最終回は,[ピボットテーブル]と[ピボットグラフ],これらを連動させるために必要な[スライサー]や[タイムライン],[カメラ]機能について解説します。モダンExcelによる「経営ダッシュボード」の成否は,従来からある[ピボットテーブル]と[ピボットグラフ]をどれだけ上手に使いこなせるか,という点に尽きるといっても過言ではありません。

1.グラフによるデータの可視化

データを可視化する際,必要な情報を過不足なく,できるだけわかりやすく表現する,ということがポイントです。

図表1( No.3491・42頁 の図表1を再掲)の左上,縦棒グラフについて解説します(図表2)。

図表1 経営ダッシュボード(第1回 図表1再掲)

図表2 色付きの棒グラフの上に,金額表示だけの棒グラフを重ねる

グラフ作成のポイントは,データラベルと呼ぶ計算結果(ここでは純売上の金額)をグラフ上に配置し,直販と店舗という2つの販売形態別で切り替え,あるいは純売上の合計を表示する,という工夫にあります。仕組みは非常に単純で,棒グラフを2つ重ねるだけです。そして,両方のグラフを[スライサー]と[タイムライン]に接続すれば,色付きグラフと金...