令和3年3月期決算~Q&Aで分かる!会計&税務のポイントと対応策(上)

EY新日本有限責任監査法人 公認会計士・税理士 太田 達也

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はじめに

令和3年3月期決算の直前の時期を迎えます。最近の規則改正,会計基準・適用指針等の改正,税制改正などの内容の十分な理解・整理を踏まえた適正な決算・申告を行う必要があります。

第1に,最近の会社計算規則の改正,会計基準等の改正状況を確認する必要があります。その適用時期の取扱いにも留意する必要があります。

第2に,法人税率,法人住民税率,地方法人税率,法人事業税率,特別法人事業税率および各地方自治体の超過税率を確認し,税効果会計における法定実効税率を適切に算定する必要があります。

第3に,令和2年3月31日付で「 会計上の見積りの開示に関する会計基準 」が公表され,会計上の見積りに関する一定の開示が求められることとされました。会社計算規則も改正されているため,有価証券報告書に記載する財務諸表だけでなく,会社法上の計算書類においても,一定の開示が必要です。

第4に,新型コロナウイルス感染症に関連して,経済状況等が不透明な状況下において,会計上の見積りをどのように行うのかが重要な論点になります。固定資産の減損の判定,繰延税金資産の回収可能性の判断など,決算にあたっての留意点を取り上げます。また,休業...