時事談論 vol.92「コーポレートガバナンス改革の行方」
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●ガバナンス・コードの改訂
我が国におけるコーポレートガバナンス改革の実効性を高めるため,今春にも,コーポレートガバナンス・コードの改訂版が公表される予定だ。
現在も,フォローアップ会議において,スチュワードシップ・コードとともに,コーポレートガバナンス・コードについて,審議が行われているが,いよいよ最終段階ということで,今後の動向が注目される。
フォローアップ会議は,審議の途中段階で,いくつか改訂に向けた基本的な考え方を小出しにしているが,昨年12月にも意見書(5)が公表されている。
その主な内容は,①取締役会の機能発揮と②ダイバーシティの確保である。
いずれも,これまでも重要な論点として取り上げられていたものであり,目新しい論点ではないが,独立社外取締役の3分の1以上の選任を求める,さらには必要であれば独立社外取締役の過半数の選任を検討するなど,具体的な指標を示すことで,より踏み込んだ提言となっている。
ここにきてようやく言い切ることができたといったところか。
というのも,今回のコーポレートガバナンス・コードの改訂は,2022年4月に予定されている,東京証券取引所の新市場区分であるプライム市場に...
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