2021年3月期日本基準決算Q&A 前編 新たに適用される会計基準等

有限責任監査法人トーマツ 公認会計士 田中 圭

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Ⅰ 企業会計基準第31号「会計上の見積りの開示に関する会計基準」

Q1 企業会計基準第31号「 会計上の見積りの開示に関する会計基準 」(以下,「企業会計基準第31号」という。)の公表の経緯と適用時期等,会計上の見積りの開示目的を教えてください。

(1)公表の経緯

2016年3月及び2017年11月,公益財団法人財務会計基準機構内に設けられている基準諮問会議に対して,IFRSにおいて開示が求められている「見積りの不確実性の発生要因」について,財務諸表利用者にとって有用性が高い情報として日本基準においても開示を求めることを検討するよう要望が寄せられ,その後2018年11月に基準諮問会議より,「見積りの不確実性の発生要因」に係る注記情報の充実について検討することが企業会計基準委員会(以下,「ASBJ」という。)に提言されたことを受けてASBJが審議を開始し,その結果を企業会計基準第31号として2020年3月31日に公表したものです。

(2)適用時期等

企業会計基準第31号の適用時期は,2021年3月31日以後終了する連結会計年度及び事業年度の年度末に係る連結財務諸表及び個別財務諸表から適用することとされ...