JICPA座談会 KAM本適用に向けた展望と期待 第2回 アナリスト編

楽天証券 経済研究所長 窪田 真之
野村證券 IBビジネス開発部財務戦略グループ シニア・オフィサー 平井 直樹
日本公認会計士協会 KAM分析チーム リーダー 中山 清美
日本公認会計士協会 KAM分析チーム サブリーダー 関口 智和

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2021年3月期から監査上の主要な検討事項(KAM)の本適用が始まる。監査人,企業,監査役等それぞれが,今まさに最終的な適用準備を行っていることだろう。そこで本誌では,日本公認会計士協会(JICPA)でKAMの早期適用事例の分析を行った公認会計士チームと,研究者・アナリスト・監査役等との対談を実施。それぞれの立場から,これからの実務に求められることや制度への期待などを語っていただいた。第2回はアナリスト編。利用者はKAMの何に着目し,課題と認識しているのだろうか。
(座談会はオンラインで2月18日に行った。)

中山  日本公認会計士協会(JICPA)のKAM分析チームのリーダーを務めている中山です。もともと監査法人の品質管理本部で,KAMの円滑な導入のサポートや,KAMの内容のレビューなどを担当してきました。本日はどうぞよろしくお願いいたします。まずは,皆さんに自己紹介をしていただきたいと思います。

窪田 楽天証券の経済研究所長の窪田です。楽天証券に入る前は,大和住銀投信投資顧問などで,日本株のファンドマネージャー&アナリストを25年間務めてきました。KAMの開示が始まることをとても喜んでいる...