ハーフタイム "失われた30年"の真相
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バブル崩壊から30年間経った。その間繰り返し聞いたのは,"失われた10年","失われた20年",最近では"失われた30年"。指摘された理由は,①構造改革の不履行,②国際競争力と生産性の低下,③少子高齢化の三つであり,ジャパン・アズ・ナンバーワンと言われた日本人は,バブル崩壊によって自信を喪失した。だが,ロンドン・スクール・オブ・エコノミクス名誉教授のC・グッドハートと,元モルガン・スタンレーMD,M・プラダンの近著『The Great Demographic Reversal』(2020)が,人口統計を駆使して分析した数値によれば,指摘された理由②は必ずしも正しくない。
戦後日本の高度成長の有力な原因は団塊世代がもたらした人口配当(高い労働力増加率と豊富な労働力の経済成長促進)であり,日本はいまや長寿化と出生率低下の最先端国だ。この点はハンス・ロスリングほか『ファクトフルネス』(2019)が分析したとおり。次に上記近著が掲載している下図(1)GDPの推移では,日本の年平均成長率1%は最低である。他方,(2)年平均1%減少してきた労働人口を分母とするGDP推移では,逆に日本の生産性は米英仏...
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