Special Interview 中村直人弁護士に聞く 令和3年株主総会の留意点

~コロナ禍2年目,改正会社法施行を踏まえて~

 弁護士 中村 直人

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コロナの終息が見込まれない状況での株主総会の運営について,留意すべき事項を教えて下さい。

昨年のコロナ禍での株主総会では,役職員と株主の安全確保を優先した総会運営を行う会社がほとんどでした。招集通知やホームページでの議決権行使書等による議決権行使の推奨や株主総会に出席しないことの積極的な働きかけ,受付での検温やアルコール消毒の実施,受付や議長席におけるアクリル板の設置,出席者のマスク着用の徹底,総会会場の座席数の削減や座席間隔の確保,入場者数の制限,窓の開放,議事の短時間化,お土産や懇親会の中止等です。

今年も,変異株の脅威や「第4波」によるコロナ禍は続いていますし,世の中では,人流を抑えるための努力が続けられていますので,昨年に引き続き,役職員と株主の安全確保を優先し,総会に出席しないことの積極的な働きかけを行い,安全を確保できる総会会場の設営や議事の短時間化の準備を整えることになります。また,議長や総会担当者のコロナ感染,会場の使用不可等の不測の事態に備えたバックアッププランの準備も必要になります。

投資家と企業の対話ガイドラインの改訂案において「株主総会が株主との建設的な対話の場である...